2013年9月4日水曜日

永遠に抜け出すことの敵わない円環。【Remember11 -the age of infinity-】

極限脱出シリーズの999善デス。 その二作品から興味を持った作品群があります。
それが、これらのシナリオを手がけた、打越鋼太郎さんの代表作とも言える、Infinityシリーズです。
まず始めに、善デスと共通点?がある、と話題になっていたEver17からとりかかり、Never7をプレイし、そして、夜通しプレイしてこれから紹介するRemember11をクリアいたしました。



Ever17は名作と言われるに相応しい面白さでした。Never7は個人的にはやや不満が残るものの、面白い作品でした。 そして、このRemember11ですが、この作品は「未解決の謎」が存在することにより、かなり賛否が巻き起こった作品のようです。未完成なのではないか、解決編が存在しない…そんな批判がある、ということをプレイ前、ネットで評価をさらっと見た時に知りました。リンク先のAmazonのレビューもこの記事を書いている現在、★1という有様。まあ、一つだけのレビューですし、参考にならなかった、とする意見の方が多いようなのでそれをそのままこの作品の世間的評価とは出来ませんが、賛否がぱっかり分かれている、と言うのがよく現れているなあ…と思います。

そんな、シリーズの中でも「問題作」と言えるRemember11。ですが。 私は、Infinityシリーズの中で、今作に一番心を震わせられました。ガツンと殴られました。ゾクゾク来ました。未解決の謎は、さながらぱっくりと口を開いた、底の見えぬ深淵。手が届きそうで届く事のない深淵。それは、ある種の悪夢を見た時と同種の高揚と絶望を私に与えました。そして、こう思いました…「この話、めちゃくちゃ面白い…」と。

この物語に出口はありません。どこ迄プレイしても、常にワタシは無限ループの中にいる。その輪の中から逃れる事ができないのです。真実を求めれば求めるほど、その輪に絡め取られて行くのです。…恐らくは。
籠の中にいるのは一体「誰」なのか。
後ろの正面は「誰」なのか。
セルフ…「自己」とは。
アニマ、アニムス、ペルソナ、影、太母、老賢人、トリックスター…ユング心理学の概念/元型を割り当てられたキャラクター達。 それは、ある種記号的ですらあります。しかし。物語の根幹に存在するであろうものが、それらの隙間から…籠の目の間から…垣間見られるのです。それは漠然としていて捉え難い。
語られるはずだったかも知れない物語は永遠に語られず、故に未完成とも言われるようになったこの作品。 しかし、物語の中で示される様々なテーマが……その見えない物語を、沈黙のままに、指し示している……私は、そう感じました。
まだ、私はエンディング及びTIPSをコンプリートできておらず、故にPSP版で追加された、真相に迫る年表も未完成ですが…ネットで先にまだ明かされていない情報も見てしまいました。断片的に、ですが。 そこで知った事実…それの意味するところは、まだ、明確には解りません。が。 どうしようもない呪縛めいたものがこの作品にはある……そう、感じました。

無限の輪の中に迷い込む覚悟があるならば…是非、プレイしてみて欲しい作品です。

バッドエンドも恐れず踏みましょう。バッドエンドでしか語られない物語の側面もあります。その中には核心的な情報も含まれます。また、クリアしたならば、考察サイトを回ってみましょう。その上で、色々と考えて行く心地良さ、または心許なさもまたこの作品の魅力のひとつです。

ちなみに、iPhoneアプリも出ていたりします。
ただ、ボイスは追加課金のようで、セールの時に買う、ぐらいでちょうどいいのではないかと。操作性の面から行っても、PSPの方が良いんじゃないかなあ。
安価にこだわるならば、という感じですかね。

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